雇用延長、再雇用等でシニア層を雇う際には「老化」を受け入れよう
今後は雇用延長、定年後の再雇用・再就職などでシニア層を活用する機会が増えてくるでしょう。現場の上司にとっては10歳以上年上の部下を持つことになります。そこで大事なことはシニア層部下の「老化」を受け入れ理解することです。
シニア層の筋力、視力、記憶力の低下を理解しよう
年下上司から見ると、シニア層の年上部下は扱いづらく、どのようにコミュニケーションを取ればいいかわからない存在かもしれません。そんななか、シニア層部下と一緒に仕事をする年下上司は、シニア層部下の老化を受け入れ理解することが大事。老化を理解することで、人間関係の悪化を防ぐことができます。
シニア層は老化によって筋力、視力、聴力、記憶力などが低下します。シニア層部下本人が老化を自覚していないケースもあるでしょう。そんな場合でも年下上司が理解しておくことが大切です。
まず筋力の衰えによって体が疲れやすくなり、動作がスローモーになってしまいます。足腰も弱り、ずっと同じ姿勢で座ったり立ったりしていることが苦痛になってくるのです。こればかりは人間なので仕方のないこと。嘆いたところでどうしようもありません。
そして、視力の衰えによって細かい文字を読むのに苦労します。聴力の低下で耳が遠くなり、同じことをもう一度聞き返されることもあるでしょう。若手社員にとって、文字を読んだり音声を聞くことが何でもないことであっても、シニア層にとっては相当の負担がかかることを理解しましょう。
また、シニア層になるとどんな人でも記憶力が低下します。先ほど頼んだ簡単な用事でも、記憶から抜けて忘れてしまうなんてことは日常茶飯事。メモ帳を与えたり、業務の依頼を文書で行ったり「あの件はどうなりました?」とこまめにフォローしたりすることが、年下上司には求められるでしょう。
これらの老化現象を受け入れず理解しないと、「動きが遅い」「話を聞いているのか」「何度言ってもすぐ忘れる」「やる気がないのでは」とフラストレーションがたまってしまい、シニア層部下との人間関係が悪化します。そうなっては、せっかく技術・ノウハウを持ったシニア層を雇い入れても活用できません。
人間誰でも1年に1歳ずつ年齢を重ね、体が衰えていき、老化を迎えます。人生の先輩にあたるシニア層部下に対しては、老化を配慮して仕事を任せ、コミュニケーションを取ると、熟練された技術・知識・ノウハウをスムーズに会社に吸収できるでしょう。
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